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世界バレーはセルビアが初優勝を遂げて、閉幕した。しかし、問題は億単位の赤字。

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世界バレーが億単位の大赤字!日本優遇が置き去りにしたもの。

 約1カ月間にわたって開催されたバレーボール女子の世界選手権は、10月20日にセルビア対イタリアの決勝戦が行なわれ、セルビアが勝利。初優勝を遂げて、閉幕した。

結果的には6位に終わった日本代表も、そのセルビアに一度は勝利するなど強豪を相手に健闘を見せ、先へとつながる大会となった。

一方で、大会をめぐる報道が関係者に衝撃を与える一幕もあった。世界選手権を中継したTBS系列が億単位の赤字となり、日本バレーボール協会も数億円におよぶ赤字が見込まれると朝日新聞が報じたのだ。

協会の赤字は、国際バレーボール連盟からの運営助成金がなくなり、海外遠征時のチームの滞在費を全額負担することになった点が主な要因だ。

日本開催と収入面のメリット。

TBSの負担額は、国際バレーボール連盟に支払う放映権料などが20億円におよぶが、それに見合うCM収入が得られなかったことに赤字の原因があるという。ここであらためて浮き彫りになるのは、放映権料などの高さだ。

ここで同時に、そうしたビジネス面のみならず、バレーボールの国際大会を日本で開催することに対して言われ続けてきた、かねてからの問題も思い起こす。

バレーボールの国際大会は、日本で実施される回数がかなり多い。理由は単純、日本開催だと、国際バレーボール連盟にとって収入面で大きなメリットがあるからだ。

日本側としても、安定して高い視聴率が得られるため、テレビ局も大きなコンテンツとしやすい。だから莫大な放映権料も負担でき、結果、連盟の収入源にもなる。つまりビジネスとして成り立っていたのだ。

2004年、国際バレーボール連盟の副会長が日本メディアのインタビューに応じたとき、日本で国際大会の開催が多いことなどに関し、「ビジネスが理由だ。だから大切にする」という趣旨の答えをしている。あまりにもストレートな返事が印象的だった。

五輪予選での運営に批判の声。

ただ、日本開催が多いということだけにとどまらない。運営そのものでも、ときに日本が優遇されていると批判が出るほど、変則的な部分がある。

 2011年W杯でのことだ。イランのベラスコ監督は、日本の試合に限り、テクニカルタイムアウトや第2セットと第3セット間の時間が長かったことについて「オリンピックの予選だから、すべてのチームが同じ条件でやらないといけません」と批判した。同じような批判はエジプトの選手からも出ていた。

批判の矛先はスケジュール面にも向かった。日本だけ試合の時間帯が固定される一方、、他国はナイター翌日に早い時間帯の試合が組まれるケースがあるなどだ。

たとえば2006年の世界選手権では、日本(女子)が出場する5位決定戦の前に決勝戦が行なわれた。スケジュールだった。今回の大会でも10月19日のスケジュールも見てみるとこうだ。

13時40分、16時10分:準決勝
19時20分:5位決定戦(日本対アメリカ)

上位の順位の試合を先に回している。

日本以外で注目されない。

先に触れた大会でのフォーマットをはじめ、「日本優遇」と海外から声が出ても仕方ない状況が続いてきた。

国際バレーボール連盟への支払いの見返りとも言えるが、巨額の赤字という結果を生むことになった今、置き去りになってきた面に思い至る。それは運営面も含め、日本に寄りすぎた、日本本位であったためにバレーボールのファンを育てる、あるいは増やす努力を怠ってきたのではないかということだ。

4年に一度の大会を開いているわりに、日本以外の国ではさほど注目が集まっていない。24カ国が参加している規模に見合う関心が寄せられていないように思える。

決勝が「祭りのあと」では。

決勝を戦ったセルビアとイタリアの試合も、ファイナルを飾る好ゲームだったにもかかわらず、どこか「祭りのあと」のような扱いだったのは否めない。

海外のさまざまなチームにも関心が寄せられるサッカーのように、とまでは言わないが、海外の強豪国が集い、先端の戦術が繰り広げられ、秀でたプレイヤーが見られる機会なのに、もったいないのではないか。

開催も含め、日本を優遇するスタンスに偏りすぎていたため、バレーボールの土壌を築く、豊かにする作業が行なわれてこなかったことも、観客動員を含め、赤字へとつながっているのではないか。

そんなことを感じさせた、大会での数々の熱戦と、赤字問題とのギャップだった。







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